スポーツ選手のための体づくりメディア

AthleteCollection / アスリートコレクション

【下半身の筋力・パワー向上!】イングランド代表の片足ジャンプトレーニング
2021.05.11

 

前回に引き続いてイングランド代表の走りのトレーニングの一つである片足ジャンプのエクササイズを紹介していきます。

 

片足ジャンプは、両足ジャンプと比べて、筋力、パワー向上のためのトレーニング効果を高めることができると言われています。

 

【下半身の筋力・パワー向上!】イングランド代表の片足ジャンプ

片足ジャンプは両足ジャンプと比べて、脚にかかる負荷が大きくなることは容易に想像できるかと思います。

研究論文からも『下肢筋群の筋活動は、片足着地時において両足着地時よりも優位に大きい放電を示し、単位面積あたりの衝撃力が大きいために下肢に加わる負担も大きい事が伺われた。』というように言われています 1)。

また、

思春期前のサッカー選手を対象にした研究では、片側下肢のプライメトリックトレーニングは、両側下肢のプライオメトリックまたはサッカートレーニングのみと比較して筋力とパワーを高めるのにより効果的であると報告しています 2)。

 

以上の二つのことから、両足ではなく片足でのジャンプトレーニングをする利点として、より負荷を高められること、そして筋力、パワーの向上のためのトレーニング効果を高められることが挙げられます。

 

さらに、体への衝撃が高まることでその衝撃を足、膝、股関節のどの部位で受け止められているのかが感じ取りやすくなるため自覚しやすく、体の使い方を修正をするためにも有効的です。

 

以前に垂直ジャンプと水平ジャンプについて書いた記事があるのでそちらをみていただくと、ジャンプ自体のトレーニング効果についても説明しています。

 

【スプリント能力・ジャン力向上】プライオメトリック「アンクルホップ」
今回はスプリント能力の向上やジャンプ力向上に、イングランド代表が実践しているアンクルホップエクササイズについて解説していきます。 アンクルホップエクササイズとは 膝をほとんど曲げずに足首のバネを使ってジャンプを繰り返すプライオメトリックのエクササイズになります。
【ヘディングの競り合いを強化しよう!】ジャンプ力向上トレーニング
今回もイングランド代表で行われているトレーニングの一つである水平ジャンプのエクササイズを紹介します。 このエクササイズでは、サッカーのヘディングの競り合いに欠かせないジャンプ力の強化に繋げることができます。

 

トレーニング方法

参照「England」youtube

写真のようにスタートポジションを取り準備します。

参照「England」youtube

その後できる限り早く片足でジャンプして前進していきます。

参照「England」youtube

周りの人と競い合うことで、最大限のスピードをはっきする事ができます。

 

ポイント

片足の連続ジャンプのポイントを3つお伝えします。

(1)衝撃は股関節で受け止める

両足ジャンプと一緒で、股関節を主軸に使って片足ジャンプしていきます。片足でジャンプをする分、お尻周りをしっかりと使えているのか、それとも膝を使ってしまっているのか、足首だけで頑張ろうとしてしまっているのかが感じ取りやすくなります。片足で立った時にしっかりと股関節周りの筋肉で支えている感覚があるのがとても大切です。

 

(2)上半身を使う脚の方に乗せる

上半身を使う脚の方に乗せる事は、衝撃を股関節で受け止めるためにも必要な事です。上半身を水風船だと思っていただき、その水風船が片足の股関節にしっかり真上に乗っているのが重要です。これにより上半身の重みが股関節一点に乗る事ができるため、股関節で衝撃を受け止める事ができるようになります。

 

(3)腕でバランスをとりながら推進方向に進む

片足で立つため、両足よりも支持基底面が小さくなるのバランス能力が求められます。腕はバランスを取るためにもとても重要な役割をしているため肩をリラックスさせて腕を自由に使える環境を作ります。また、前進への推進力を上げるためにも腕の振りはとても大切なため、しっかりと腕を大きく振って胴体を使っていきます

 

まとめ

今回は、片足での連続ジャンプのトレーニングを紹介してきました。

 

片足では両足でジャンプするよりも衝撃が大きくなるため、下肢への負荷が増加し、トレーニング効果も向上します。

 

片足での動作のポイントとして、上半身をしっかりと股関節に乗せる事で股関節を主軸にした片足でのジャンプが可能になります。また、腕をバランスのためと推進力の向上のために使えるように肩をリラックスさせ、大きく腕をふる事がポイントです。

 

このようなプライオメトリックトレーニングでは、垂直方向や水平方向へのジャンプや片足のでのジャンプ、また台を使ったジャンプなどさまざまなトレーニング法があるためそれぞれの利点を上手く活かしてぱフォーマンス向上役立ててみてください。

 

編集部オススメの記事

瞬発力を鍛える+筋トレ【プライオメトリックトレーニング】
サッカー選手に求められる瞬発力を向上させるためのトレーニングです。筋力と動的な力をうまく連動させ、爆発的な瞬発力を生み出すためのプライオメトリックトレーニングをご紹介します。
【体が大きくならない】沢山食べても栄養は足りていない! - アスリートコレクション
どれだけ食事回数を増やしても、1回の量がうまく消化されずに、次の補食や食事の時期がくればお腹が空かないし、食べれないのも良くわかる。 食べれない。という選手もまた、消化・吸収の効率を高めてあげることが、 次の補食や食事でしっかり栄養を補給できる準備を行うこともとても大切。

<参考文献>

1)下肢関節における肩促着地の緩衝効果 前田明, 江橋博 他 体力科学(1994) 43, 219-227

2)Drouzas V, Katsikas C, Zafeiridis A, Jamurtas AZ, Bogdanis GC. Unilateral Plyometric Training is Superior to Volume-Matched Bilateral Training for Improving Strength, Speed and Power of Lower Limbs in Preadolescent Soccer Athletes. J Hum Kinet. 2020 Aug 31;74:161-176. doi: 10.2478/hukin-2020-0022. PMID: 33312284; PMCID: PMC7706637.

 

 

 

※今回ご紹介した動画は「England」様の貴重なyoutube作品です。

The following two tabs change content below.
2014年からオランダに渡り、フリーランスとして治療院を開業。その傍ら理学療法士として、リーグ4部のアマチュアサッカーチームやプロサッカーチームのユースチーム、オランダ柔道ナショナルチームに携わる。2019年よりサッカーベルギー1部リーグ「シントトロイデン」からオファーをもらい、メインの活動の場をベルギーへ移す。

最新記事 by 桑原秀和 (全て見る)

瞬発力

SoccerTrainingをいいね!して最新情報を受け取る

SoccerTrainingをフォローして最新情報を受け取る

  • 疲労へのアプローチ!
  • 食事方法で差をつける

体づくりのヒント

この記事を見ている人はこんな記事も見ています

サッカートレーニングの新着記事

スポーツ栄養の新着記事