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【スイマーにも意外と多い鉄不足!】回復しない鉄不足に鉄以外に意識したいコト
2018.01.16(更新日2021.08.18)

スイマーにも意外と多い鉄不足!

先日、競泳日本選手権が行われましたね!

池江璃花子(ルネサンス亀戸)選手の「4冠オール日本新」の活躍と共に大橋悠依(イトマン東進)選手の女子400m個人メドレーでの日本新が大きなインパクトを残した大会となりましたね。

一方で、大活躍だった大橋悠依(イトマン東進)選手に関しては以前「鉄不足」による原因不明の不調で悩まされた時期があったと言われています。

 

今回は、鉄不足とコンディショニングについてご紹介します。

コンディショニングは、しっかりとトレーニングに打ち込み、トレーニングのレベルを高めながら、自身のレベルを高めていく上で欠かせない存在です。

一方で、トップスイマーでも起こりうるのが鉄不足です。

鉄不足だと気が付いていない選手もいれば、鉄不足で悩んでいる人の中には鉄分を意識的にサプリメントや食事で摂っているにも関わらず、なかなか改善されないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

そんな悩みに対して、鉄をサプリや食事で摂ることにプラスして意識したいポイントについて触れていきたいと思います。

それでは早速!

 

鉄が不足したらパフォーマンスが低下する

まず始めに、鉄が不足するとどうなるのか?

鉄が欠乏した状態 では、赤血球による酸素の運搬能力が低下す るため、疲労感、頻脈、めまいなど種々の身 体症状が現れ、持久力の低下に繋がってしまいます。(1)

それだけではありません、パフォーマンスだけでなく健康面への影響も出てくる可能性があります。特に女子アスリートに関しては、「女子アスリートの三主徴」と言われる「エネルギー不足」「無月経」「骨粗しょう症」の問題にも関連する重大な問題と言われています。(2)

コンディションやパフォーマンスだけでなく将来の健康を考える上でも鉄を摂る事への意識は大切にしたいポイントです。

 

「鉄」を摂取するポイント

鉄分を摂取する時のポイントについてご紹介します。

サプリや食事で摂れる鉄分には2種類あります。

 

ヘム鉄

赤身のお肉や魚介類などの動物性の食品に多く含まれている鉄分の事です。

ヘム鉄が含まれる食品例

赤身肉、レバー、カツオ、イワシ、etc

 

非ヘム鉄

ヘム鉄とは逆で、野菜や果物、穀物、大豆、緑黄色野菜などの植物性の食品に多く含まれています。

非ヘム鉄が含まれる食品例

大豆、ほうれん草、小松菜、卵、ひじき、etc

 

どちらを摂れば良いのか?

ヘム鉄と非ヘム鉄の違いの1つに吸収率があります。ヘム鉄の吸収率は10-20%と言われ、非ヘム鉄の吸収率は2-5%と、ヘム鉄と比べると摂取した時に体内に吸収できる割合が低くなります。(3)

 

つまり、吸収率を考えるとヘム鉄を摂取した方が良いことがわかります。市販されている鉄不足を補うサプリメントの多くがヘム鉄を使用したサプリメントであることからもそれが伺えますね。

 

ただし、非ヘム鉄は摂らなくても良いか?というとそれは違います。非ヘム鉄を含む植物性の食品には鉄不足によって生じる体の不調に関与してくる赤血球の合成に必要な葉酸を多く含むものが多いので、バランスよく食事から摂ることが大切です。

 

 

「鉄」+意識したいポイント

鉄不足が解消されない原因は、吸収されていない、吸収された鉄がうまく使われていない等、様々あると思いますが、普段意識して摂っている鉄を含むサプリメントや食事の努力を無駄にしないために吸収率や食べ合わせを意識して出来る取り組みをしてみましょう。

 

鉄の吸収を高めるビタミンCを一緒に

ビタミンCは鉄を3価の鉄を吸収しやすい2価の鉄に変換してくれる役割を持っており、吸収率を高めるには野菜や果物などビタミンCを豊富に含む食品やサプリメントと一緒に摂取すると良いと言われています。(4)

 

鉄の吸収を高める食事法を意識

鉄は胃酸が分泌されると吸収されやすくなると言われています。

そのため、食事をする際に胃酸の分泌が促される様な梅干しなどの酸っぱいものを食べたり、よく噛んで咀嚼して食べることでも吸収率を高めることができると言われています。(3)

 

 

血を作るために必要なビタミンB群

鉄不足によって減少する血液中の赤血球を作るために必要な栄養素がビタミンB6やビタミンB12、葉酸です。

ビタミンB6:レバー、カツオ、卵、バナナetc

ビタミンB12:レバー、カツオ、卵黄、秋刀魚etc

葉酸:レバー、卵黄、ほうれん草、ブロッコリー、納豆etc

 

3種類全てを含んでいるレバー、カツオ、卵なんかは上手く活用できそうですね!

 

鉄不足で減少するヘモグロビンを作るタンパク質を摂ろう

鉄不足で血液中のヘモグロビンが減少すると言われています。ヘモグロビンは血液の流れに乗って酸素を全身に運搬する非常に重要な働きをします。

 

鉄分が減少して、ヘモグロビンが減少してしまうと、酸素運搬能力が減少してしまい、体調の低下や運動機能の低下を招く要因になります。(1)

 

大切なヘモグロビンは、タンパク質と鉄が結合されて作られるため、血液を作る上でタンパク質が不足している状態で鉄を補ってもヘモグロビンの増加が見られないと考えられています。

 

◆ここでポイント!◆

タンパク質の摂取と共に意識したいのが、タンパク質の吸収への意識です。

 

タンパク質は消化に負担がかかりやすく、消化吸収が苦手な人も中にはいます。

タンパク質の消化吸収を考慮して摂取できればより良いと思います。

さらに、ヘモグロビンの材料となるタンパク質の代謝反応にはビタミンB1やナイアシンなどのビタミンB群が関与してきます。上記のビタミンB12、ビタミンB6と合わせてビタミンB群も積極的に摂りたい栄養素です。

 

コーヒーを控える

緑茶やコーヒーに含まれているタンニンと言われる成分が鉄と結合することで、鉄の吸収を悪くしてしまう要因となってしまいます。鉄サプリメント摂取時や鉄を意識した食事の際は、緑茶やコーヒーなどタンニンが含まれているものを一緒に取るのは避けたいですね。(5)

 

鉄サプリ+消化吸収・食べ合わせを意識した食事

いかがだったでしょうか?

鉄を摂取するにあたって、鉄のサプリメントや食事を摂るだけではなく、消化吸収されているのか?吸収された後に上手く使われているのか? 総合的に考えていくことが大切だと思います。

 

また、今回ご紹介した鉄と一緒に摂った方が良い食事や栄養素に関しても、鉄同様に消化吸収されて初めて鉄の役に立ちます。

 

消化器官が弱っていたり、消化器官に疾患があると、ただでさえ少ないヘム鉄の吸収率は更に低下するばかりか、タンパク質やビタミンB群など必要な栄養素の吸収まで低下しかねません。

 

鉄のサプリメントや食事と一緒に消化吸収まで意識した対策も考え工夫しながら食事をしてみてはいかがでしょうか。

 

消化・吸収に意識が向いている人も少ないのではないかと思いますので、是非情報の1つとして参考にしてみてください。

 

【体が大きくならない】沢山食べても栄養は足りていない! - アスリートコレクション
どれだけ食事回数を増やしても、1回の量がうまく消化されずに、次の補食や食事の時期がくればお腹が空かないし、食べれないのも良くわかる。 食べれない。という選手もまた、消化・吸収の効率を高めてあげることが、 次の補食や食事でしっかり栄養を補給できる準備を行うこともとても大切。
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<参考文献>

(1)日本体育協会「アスリートの栄養摂取と食生活」(2)医師が教えるアスリートの健康情報「アスリートと貧血」女性アスリート健康支援委員会(3)厚生労働省、e-ヘルスネット、貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう,<https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html>2017.08.31アクセス(4)公社愛知県栄養士会、ちょっと気になる食の情報、<http://www.aichiken-eiyoushikai.or.jp/shoku_joho-eiyou.html>2018.04.03アクセス(5)グリコパワープロダクション、運動に鉄分はなぜ必要か。ヘム鉄で効率的に吸収しよう、<http://cp.glico.jp/powerpro/oxygen/entry34/>

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アスリートコレクション編集部

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