「身長を伸ばすにはどうしたらいいですか?」
「何を食べたら大きくなりますか?」
と、成長期のジュニアアスリートやそのご家族、チームスタッフからよくご相談いただきます。
私自身も小学生・中学生の時は背が小さく、身長に恵まれている選手を羨ましく思っていたので、とてもお気持ちがわかります。ただ、上記のような質問をいただいた時にははっきりとこうお答えしています。
「これを食べれば身長が伸びる!なんて食べ物はないです。」
ただ、私がいろんな選手をみていて「これが大事だな」と思う基本のポイントがひとつあります。それは「今の自分の体に必要な量が本当に摂れているのか」ということです。当たり前で簡単なことに聞こえますが、これが本当に重要なのです!
今日は成長期のジュニアアスリートのエネルギー必要量の考え方のひとつをお話しし、最後にはその必要量を満たすための食事の実践ポイントを具体的にご紹介しようと思います!
成長期のジュニアアスリートのエネルギー必要量
まず、成長期に必要なエネルギーを大きく分解すると4つです。
◆基礎代謝量:
何も活動しなくても生きるために必要なエネルギー
◆日々の生活に必要な分:
通学や勉強、日常生活などに必要なエネルギー
◆成長に必要な分:
身長を伸ばしたり体を大きくしていくために必要なエネルギー
◆スポーツをする分:
激しい運動・トレーニングを行っているジュニアアスリートは、上記に加えて「スポーツをする分」も必要です。
しかし・・・
1日のトータルの食事量が、この総エネルギー必要量(4つを足したもの)に見合っていない場合、人間は本能的に「スポーツ」や「成長」ではなく、「生きること」に優先してエネルギーを使います。
そうすると、例えば、運動中の体力がもたず、すぐに疲れてしまったり、思うように体が大きくならなかったりするわけです。そうならないように!取り組んでみてほしいポイントがこちら!
必要量を満たすための食事の実践3つのポイント
まずはじめに振り返ってみて欲しい3つのポイントをご紹介します!
①朝食がしっかり摂れているか
「昼と夜は大人並みに食べるけれど、朝はお腹がすかずほとんど食べられない」
「朝は眠くて時間もないしトースト1枚だけ」
というような選手、意外と多いです。
朝昼夕3食の量のバランスを振り返ってみてください。「朝<<昼=夕」になっていませんか?朝食をしっかり食べることによって、1日の総摂取量が自然とアップしますし、朝食が午前中の活動のエネルギー源となります。朝練がある選手や午前練習のときの朝食はマストです!
②補食は取り入れているか
3食はしっかり食べることができている、という選手は、次のステップとして補食を活用しましょう!
練習前後や「お腹がすく」と感じるタイミングで食べるといいですし、①が課題で朝ごはんが苦手な選手は、朝食で摂ることができない分を午前中に補うようにすることもおすすめです。
③1回でたくさん食べられない→分割して食べよう
「頑張って食べているけど、胃が小さく、1回でたくさんは食べられない」
「一度にたくさん食べすぎると消化不良や下痢などを起こす」
そんな選手は、1回量を増やして無理をするのではなく、補食などを活用して1日の食事回数を増やしてみましょう!
いかがでしたか?
ジュニアアスリートにおいて身長は永遠のテーマですが、これを食べれば「絶対」大丈夫!というものは存在しないのが事実です。
個々によって異なる成長スパートがきたタイミングで、しっかりと成長を促してあげられるよう、エネルギー不足にならない食習慣を作っておくことが大切です!