アスリートに知っておいてほしい栄養素をよくある質問と交えて6回のシリーズに分けてお伝えしています。
アスリートあるあるかと思いますので、ぜひ読んでいただき今後の参考にしていただけると嬉しいです。
<第4回>
今回のテーマは
「ビタミン」
アスリートに良く聞かれる「ビタミン」のこと。
ビタミンは、ビタミンB群、Cなどの水溶性ビタミンと、ビタミンD,A,K,Eの脂溶性ビタミンとたくさんの種類があります。
それぞれのビタミンの特徴や作用についてすべて解説したいくらいですが、今回はその中でも質問が多く、知ってほしいことをピックアップしてお伝えします。
質問1)アスリートが不足しがちなビタミンってなんですか?
基本的にビタミン不足のアスリートは多いのですが、やはり多いのは、ビタミンB群とビタミンCです。
この二つは水溶性ビタミンのため、すぐに汗などで身体の外に出て行ってしまいます。
また身体になかなかストックできない栄養素なので、こまめにしっかり摂っていくことが求められます。
◆ビタミンB群
代謝に関わる大切な栄養素です。
これがしっかり摂れるアスリートは、代謝がうまく回り始めますので、疲労感や倦怠感などが少なくなったり、ウエイトコントロールがしやすくなったり、様々な嬉しい反応があります。
食品で言うと、穀類・肉・魚卵・大豆製品などに多く入っています。
◆ビタミンC
ストレス対抗ビタミンです。
アスリートは過度な運動だけでなく、紫外線や心身のストレス(プレッシャーや緊張感など)で身体は多くのストレスを感じます。
このストレスに対抗していくためにはビタミンCがすごく大切な栄養素なのです。
食品でいうと野菜・果物・イモ類に多く入っています。
質問2)野菜を摂っていればビタミンはしっかり摂りきれていますよね?
これは「NO」です。
ビタミン=野菜
そんなイメージが多いようですが、それがすべてではありません。
長距離選手や審美系のスポーツをしている女性に多い質問です。
例えば、先ほど説明したビタミンB群。
これらは野菜よりも肉・魚・卵・大豆製品に多く入っていることが多いです。
特に酸素を運ぶ上で大切な赤血球をつくるビタミンB12は野菜類にあまり含まれていないので、野菜中心の生活スタイルの方は不足しがちです。
野菜だけ食べていればOK!と思っているアスリートは要注意です。
質問3)ビタミンのサプリメントはどう思いますか?
私の考えは使用してもいいと思っています。
食品で必要な量を摂れると良いのですが、難しい場合が多いかと思います。
過酷なトレーニングでそもそも消耗量が多かったり、遠征が多く満足に食事が摂れなかったり、アスリートは、食事だけで必要量を摂取することが難しい場合が多いと思うのです。
食事をベースに、足りない場合は、サプリメントをうまく併用していくことをお勧めします。
質問4)摂るならやっぱりマルチビタミンですか?
これも悩みどころですが、基本的には「YES」。
やっぱり栄養はチームで働きますので、ベースの底上げのためにマルチビタミンから飲んでみることはお勧めしています。
ただ、食事が野菜ばかりで動物性食品などが少ないなと判断した時や、逆にたくさんの糖質や脂質などを食べる(カロリーをしっかり摂る)などの場合は、補助としてのビタミンB群の必要量が上がりますので、ビタミンB群のサプリメントをお勧めすることもあります。
自分に必要なものをしっかり選べるように知識をつけたり、相談できる栄養士などの専門家を探してみたりしておきましょう。
以上「ビタミン」あるあるでした。
ぜひ参考にしてみてくださいね!

中央大学競泳部/HONDA(実業団チーム) ソフトボール/東光教育センター競泳/チーム今治サッカー/東京朝鮮高校ラグビー/武蔵大学アメリカンフットボール/その他、陸上長距離選手、ダンサー、野球選手など様々な方の個人栄養サポート。 パーソナル栄養サポート、セミナー講師、ライター活動、レシピ開発なども行いながら、「あなたのかかりつけ栄養士」として活動をしている。