コロナの影響で、自宅にいることが多くなっている方が多いのではないでしょうか。
その中で、家で自炊をする機会も増え、食事に対する意識が上がればいいなと思っています。
身体が健康であれば、疲れにくいし元気だし、何にとってもプラスになることは誰もが知っていることです。
ただ、そうとはわかってていても、食事が直接スポーツのパフォーマンスにもつながるということにはあまりピンとこない方も多いのではないでしょうか?
ここでは、プロとしてスポーツで仕事をしている、もしくはプロを目指しているという方に対して、食事がどのようにパフォーマンスに影響するのかということを紹介していきます。
スポーツ選手の食事に対する意識は上がっている
実際に、ヨーロッパのサッカー選手で専属シェフをつけている人は、僕の直接知っている選手でも4人はいますし、他にもたくさんいると思います。
ヨーロッパに住めば日本食が恋しくなるというのはよくある話ですが、選手たちは日本食欲しさだけに専属シェフをつけているわけではないです。
骨格の大きい外国人選手にも負けないような体を作るために食事による健康管理をしっかりと行なっています。
海外に来る日本人選手を見ていると、自分たち日本人の身体能力の低さに気づき、外国人選手以上に自分の体に対してケアをしないと結果を出していけないという意識を持ち始める選手が多いように感じます。
前と比べて海外でやる選手が増えたことが、スポーツ選手の食事に対する意識を高めている一つの理由だと言えると思います。
腰痛になった柔道オリンピック候補選手
実際に僕が経験した柔道選手の例を挙げます。
オランダ柔道代表の仕事で、講道館の合宿に帯同したときの話です。
無差別級の若い一度も治療を受けたことがない選手が3週間の練習期間の中で2週目から腰痛を訴えてきました。
身体を診てみるとお腹の深部にある筋肉(腸腰筋)がうまく働いていない状態でした。足を上げてもらい力を入れさせても僕の押した手の力に負けてしまいます。普通であれば、体重100kg以上のアスリートが僕の手に負けるわけがありません。
その後、治療によって、一時的に筋力を戻してあげると腰痛は無くなりました。
この筋肉というのは、内臓で言うところの腎臓に関わっています。
この選手の場合は、練習の疲れもそうですし、毎日、外食による添加物や慣れない日本食などの食事の処理のために腎臓が働きすぎて、いつも以上に疲れている状態でした。
この腎臓の疲労により、腸腰筋という筋肉が弱まり、体幹機能が低下して腰痛を起こしたと考えられます。
内臓も筋肉と同じようにケアをする
このように本来、筋力があるにも関わらず、筋力が発揮できない状態になることがあります。
スポーツをしている人であれば、『あれ、今日はなんだか調子が悪いな。』、『身体のキレがないな。』などの感覚を持ったことは一度はあるはずです。
また、いつもと同じような練習をしているのに、急にどこかを痛めたりすることも経験としてあるかもしれません。
もちろんこのようなことは、他にもいろいろな原因が考えられますが、内臓疲労が関係していることも多く存在します。(ここでの内臓疲労というのは、病院に行って検査しても異常は出ないレベルでの疲労のことを言っています。)
今回は、腸腰筋という筋肉と腎臓が関わっているとお話ししましたが、各臓器それぞれが違う筋肉と関連しています。
そのため、食べ過ぎで胃を疲れさせてしまったり、お酒の飲み過ぎで肝臓を疲れさせてしまったりということも、もちろんパフォーマンスの低下に影響していきます。
以上のことから、スポーツ選手は筋肉のケアをしているのに内臓のケアをしないのはおかしいと思いませんか?
まとめ
スポーツ選手は専属シェフをつけたほうがいいとは言いませんが、しっかりとした食事をとり、内臓への必要ない負担を減らすことは、一流選手としてのパフォーマンスアップのためにも必要不可欠なものであると思っています。
しかし、ここで注意したいのは、食事がパフォーマンスに影響するからと言って、細かく『これは食べちゃダメ、あれは食べちゃダメ』と過剰に神経質になって欲しくはありません。
添加物や砂糖の取りすぎなどの最低限のことを気をつけて、楽しく食事をとることで心身ともにハッピーになってスポーツで結果を出して欲しいと思っています。
内臓を休める食事については、こちらの記事も参考にしてみてください。
参考文献
・Applied Kinesiology / A Training Manual ans Reference Book of Basic Principles an Practices, ROBERT FROST, PhD