スポーツ選手のための体づくりメディア

AthleteCollection / アスリートコレクション

海外でも話題のビタミン!?ビタミンD摂取の上手な摂取方法
2019.12.02(更新日2021.04.13)

 

前回のコラムでは、ビタミンD摂取がアスリートの健康やパフォーマンスを維持する上で重要であることをお伝えしました。

>>【海外でも話題のビタミン!?】ビタミンD摂取に期待できる効果

 

今回は「ビタミンD」の種類と、練習環境や個人の特徴に応じた摂取方法、アスリートに必要とされる摂取量についてご紹介いたします!

 

ビタミンDの種類

まず、初めに、ビタミンDには「ビタミンD3」「ビタミンD2」という種類があるのをご存知でしょうか?

簡単に説明すると次の通りです。

ビタミンD3:動物由来

ビタミンD2:植物由来

 

「どのように使い分け、摂取するか」についてお伝えします。

 

本題に入る前に
ビタミンDは、環境や個人の特徴によって体内での合成レベルが異なるという点について整理していきましょう。

 

体内のビタミンD合成量が低下しやすい条件

環境

◆室内でトレーニングする

◆早朝や夕方以降に屋外で練習する

◆北緯35度以上、南緯35度以上の地域に住む(東京は北緯35~36度に位置しています)

◆冬季(冬季のトレーニング環境を求めて遠征する場合を含む)など

個人的な特徴

◆肌の色が黒い

◆体脂肪率が高い

◆日焼け止めクリームを日常的に使用

◆紫外線をカットする衣類を着用し、肌の露出がない場合など

 

※備考:紫外線カット対策についてはメリットも多いため、何を優先するのかを考え、使用法を検討することが大切です

 

一般の人においても、ビタミンD不足は多くみられ、アスリートではさらに不足の割合が高くなります。

 

特に、上記のような環境で生活したり、長期間の合宿を行う場合には、次の摂取方法を参考にしてください。

 

ビタミンDの2つの摂取方法

(1)ビタミンDが豊富な食品

●動物性のビタミンD3が豊富な食品

・魚
(さけ、さんま、いわし、うなぎ、まぐろ、ひらめ、かれい、しらす干し、など)

・レバー

●植物性のビタミンD2が豊富な食品

・きのこ類
(きくらげ、干ししいたけ、など)

 

一般的には、ビタミンD3の方が摂取による効果が得られやすいと報告されているので、動物性食品からのビタミンDの摂取をおすすめします。

 

あるいは、動物性と植物性ビタミンDを組み合わせて摂取してもよいでしょう。

 

(2)良質なサプリメントを摂る

動物性のビタミンD3と植物性のビタミンD2、それぞれのサプリメントが市販されています。

 

上記で述べた通り、動物性のビタミンD3の方が植物性のビタミンD2よりも効果が高いため、ビタミンD3のサプリメントがお勧めです。

 

しかし、ベジタリアンなどで、動物性食品を避けている場合はビタミンD2を選ぶとよいでしょう。

 

サプリメントはあくまでも食事を補うものです。まずは、食品ベースでビタミンDを積極的に補給しましょう。食品から十分に補給できない場合は、サプリメントを活用するとよいでしょう。

 

体内のビタミンD量を確認しよう

最後に、ビタミンD不足をスクリーニングする一つの手段として血液検査をお勧めします。

 

可能であれば、定期的な血液検査によりビタミンDが足りているかを把握するとよいでしょう。

 

一般の人における健康維持のためには、血清25(OH)D濃度が50nmol/L(20 ng/ml)以上が推奨されていますが、アスリートであれば100nmol/L(40 ng/ml)以上を目指したいところです(1)。

 

まとめ

血液検査などからビタミンDレベルを確認し、不足している場合には対策が必要でしょう。

 

まずは、ビタミンDが豊富な食品を食べましょう。

 

特におすすめするのは、動物性のビタミンD3です。ビタミンDが食品から補給できない場合には、サプリメントを上手く活用するとよいでしょう。

 

河村

普段の食事からビタミンDの摂取を意識していきましょう!

 

参考文献

(1)Larson-Meyer and Willis, Vitamin D and Athletes, Curr Sports Med Rep, 2010

 

■関連記事

【海外でも話題のビタミン!?】ビタミンD摂取に期待できる効果

【アスリートにおける骨の健康維持】骨の健康を維持するための栄養戦略

The following two tabs change content below.

河村亜希

・管理栄養士・公認スポーツ栄養士・IOC Diploma in Sports Nutrition・オーストラリア国立スポーツセンター(AIS)アシスタントスタッフ(2016年~)・全日本スキー連盟ハイパフォーマンスサポートスタッフ(2016~2018年)・日本バレーボール協会 医科学スタッフ(2017~2021年)・日本スケート連盟フィギュアスケート部医科学スタッフ(2020年~現在)などの日本代表チームに対する栄養サポート経験等を経て、現在は大学で研究活動にも取り組んでいる。

最新記事 by 河村亜希 (全て見る)

SportsNutritionをいいね!して最新情報を受け取る

SportsNutritionをフォローして最新情報を受け取る

  • 疲労へのアプローチ!
  • 食事方法で差をつける

体づくりのヒント

この記事を見ている人はこんな記事も見ています

スポーツ栄養の新着記事