今回はサッカー選手における懸垂トレーニングのメリットとやり方のポイントについて、紹介させていただきます。
この記事で紹介させていただく動画はFCバルセロナでプレシーズンに行われている筋トレのものになります。
懸垂トレーニングのメリット
一般的に言われている懸垂トレーニングの一番のメリットとしては、広背筋という背中にある大きな筋肉を鍛えることができることです。
広背筋は懸垂のように何かにぶら下がった時に体を持ち上げる時に使われます。また、肩を下げるような動きの時にも働きます。
広背筋の詳しい作用について知りたい人は、以下のブログも読んでみてください。
https://hide-kuwabara.com/latissimus-dorsi-performance/
サッカー選手において広背筋が大切な理由
スポーツ選手において広背筋がしっかりと機能することは、骨盤を安定させるために必要な筋肉である多裂筋と大臀筋を機能させるためにとても重要になります。これは、解剖学的にいう筋膜の連結から考えられることです。
また、サッカー選手においては試合中に細かな重心移動が必要になりますが、広背筋を鍛えてしっかりと機能させることでこの重心移動の質を高めてくれます。
重心移動は、胸郭の動きによってもたらされるため、胸郭の柔軟性が高いことで重心移動をスムーズに行うことができるようになります。胸郭の柔軟性を向上させるためには、胸郭の動きを作る広背筋がしっかりと働いていることが重要になるのです。
他にも懸垂によって広背筋を鍛えることは様々なメリットをもたらしてくれますが、ここでは少し割愛させていただきます。
トレーニングのやり方
下の写真のように、懸垂の棒にぶら下ります。
そして、できるだけ体を真っ直ぐにしたまま、体を棒に引き寄せていきます。
その後、ゆっくりと体を下げて、初めのポジションに戻ります。
そして再度、体を棒に引き寄せていきます。
この動きを何度も繰り返していきます。
ポイント3つ
懸垂を行う時に気をつけるポイントとして主に以下の3つを紹介します。
上半身をまっすぐにしながら行う
多くの場合、体を上に持ち上げる時に、腹筋を使って上半身を丸めながら懸垂することがあります。この動きをある目的で意図的に行っているのであればいいのですが、この動きだけで懸垂をトレーニングしてしまうと上半身を丸めながら広背筋を使う癖がついてしまいます。広背筋をしっかりと機能させるためには、上半身をまっすぐにした状態(胸を持ち上げた状態)をキープしたまま懸垂をすることが大切です。
目線を少し上にする
上半身をまっすぐにしたまま懸垂を行うために、目線も少し上にして行います。目線や顎が下がりながら懸垂を行ってしまうと、胸を持ち上げにくく体をまっすぐにキープすることが難しくなります。顎を引いて行うことはいいことですが、目線や顎が下がってしまわないことに気をつける必要があります。
小指を意識して棒を掴む
今度は、ぶら下がっている棒の掴む意識の仕方です。手の指の中で主に小指から中指の3指を中心に使って棒を掴む意識をします。こうすることにより、脇の下を意識しやすくなり、広背筋をより使いながら懸垂を行うことができるようになります。また同時に小指から脇までのつながりを意識し、脇をしめながら行うことでも広背筋に効きやすくなります。
まとめ
今回はサッカー選手における懸垂トレーニングのメリットとやり方のポイントについて、紹介させていただきました。
FCバルセロナでも行われている王道の筋トレになります。
懸垂は広背筋という重心移動に重要な筋肉を鍛えることができるため、重心移動の高い質が求められるサッカーのようなスポーツにおいてとても重要なトレーニングになります。
懸垂を行う際には、上半身をまっすぐにキープしたまま行い、小指を意識して棒を掴むことで、より効果的に広背筋を鍛えることができるようになります。
是非参考にしてみてください。
※今回ご紹介した動画は「FC Barcelona」様の貴重なyoutube作品です。
2014年からオランダに渡り、フリーランスとして治療院を開業。その傍ら理学療法士として、リーグ4部のアマチュアサッカーチームやプロサッカーチームのユースチーム、オランダ柔道ナショナルチームに携わる。2019年よりサッカーベルギー1部リーグ「シントトロイデン」からオファーをもらい、メインの活動の場をベルギーへ移す。