今回はこの動画で見られるブラジルのサッカーチームのCRヴァスコダガマも行なっている内転筋に刺激を入れながらの腹筋エクササイズの解説をします。
ボールなどの物を太腿の間に挟んで、太腿の内側に力を入れながら腹筋をするようなエクササイズは割とよくやられるエクササイズです。
腹筋エクササイズをやる理由としてよく注目されがちなのは、男としてみんな憧れるシックスパックと言われる腹直筋という筋肉です。そしてこの筋肉を鍛えることが腹筋エクササイズの目的だと思われがちです。
見た目だけを気にしたい人にはもちろんこれでもいいのですが、スポーツをしている人はパフォーマンスをあげるための腹筋エクササイズを行いたいと考えると思います。
この内転筋に刺激を入れながら腹筋をすることは、まさにこのパフォーマンスを上げるための腹筋のエクササイズに変えることができます。
それがなぜかということを解説します。
なぜパフォーマンスに繋がるのか?
腹筋のエクササイズでなぜ内転筋に刺激が入るとパフォーマンスに繋がる鍛え方ができるのかについてですが、
腹筋には4つの腹筋があり、お腹の深部により近い筋肉(インナーマッスル)が使えるようになることが体を効率的に動かすことおいて重要であるということを以下の記事でもお伝えしたことがあります。
【柔軟性のある体幹を養おう!】ビジャレアルの丹田を意識したトレーニング
腹筋エクササイズにおいて、この4つの腹筋をバランスよく使うことがとても重要になります。
しかし、何も気にせずに腹筋エクササイズを行なっていると多くの場合、シックスパックと言われる腹直筋を多く使うやり方で行なってしまう傾向があります。
この腹筋群をバランスよく使うには、腸腰筋という胴体を動かすためにとても重要な筋肉が腹筋エクササイズ時に使われる必要があります。
そしてこの腸腰筋をうまく使うためにこの内転筋に刺激を入れた状態で腹筋エクササイズを行うことがとても効果的になります。
つまり、内転筋に刺激を入れることでシックスパック筋だけで上体を起こすのではなく、内転筋から腸腰筋の連動を使ってより深部の筋肉も導入させながら4つの腹筋もバランスよく使い、腹筋エクササイズを行うことができるということです。
それでは、実際のトレーニング方法を見ていきます。
トレーニングの方法
上記の写真のように、ピラティスリングと呼ばれる抵抗器具を太腿の内側に挟んで力を入れながら、2つ目の写真のように上体を起こしていきます。
手に持っている円盤はより負荷を高めること、そして腕と体幹部を連動させながら行う意識づけの目的として使います。
ポイント3つ
(1)
スタートポジションから上体を上げ切るまで常に両内腿でピラティスリングを押し続けることです。慣れていないと上げている途中で、内腿を弛めて内転筋の意識が抜けてしまうことがあります。
(2)
鼠蹊部の内側を意識して股関節を少しだけ内側に絞るようにピラティスリングを押していくことです。うまく使えていない人の場合、鼠蹊部の外側あたり(大腿直筋・大腿筋膜張筋)を使って上体を上げてしまいます。
(3)
内転筋をしっかりと使った腹筋エクササイズができるまでゆっくりしたスピードで上体を起こしてエクササイズを行うことです。勢いをつけて上体を起こしてしまうと、シックスパック筋である腹直筋を主に使って上体を起こす動作をしてしまいます。
まとめ
今回のように単純な腹筋エクササイズであってもどこに意識を向けるかによって全く目的の違ったエクササイズになってしまいます。
足の置く場所や膝の角度、股関節の捻れ方によってもどの筋肉が優位に働きやすいのかということも変わってくるため簡単なように見えて、非常に難しいエクササイズになります。
解剖学的な知識がない人にはイメージがつきにくい話だったと思いますが、自分で解剖の本を見てある程度の簡単な筋肉の位置を知っておくことはトレーニングする上で損はしないのかなと思います。
また、そのような知識を持ったトレーナーに頼んで一緒にトレーニングをすることでより質の高いエクササイズが行えます。
是非、参考にしてみてください。
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※今回ご紹介した動画は「Vasco TV」様の貴重なyoutube作品です。