今回はスクワットでメディシンを使って腕を同時にトレーニングする目的について、ユベントスのトレーニング動画を用いて解説していきます。
このエクササイズの目的
このエクササイズの大きな目的として、骨盤の安定性を高めることがあげられます。
腕を使っているのだから、腕をトレーニングしてると思われる人も多いかと思います。もちろん腕や肩に対しても刺激が入るため腕肩のトレーニングとも言えます。
しかし、厳密に言えば腕と骨盤のつながりを作ることで骨盤の安定性をさらに高めるということになります。
なぜ腕と骨盤のつながりを作ると骨盤が安定するのか?
なぜ腕と骨盤のつながりを作ると骨盤の安定性が高まるのかというと、ここでは広背筋という肩から骨盤にかけての筋肉とお尻の筋肉である大臀筋が関係してきます。
この広背筋と大臀筋の筋肉はお互いに連結していて同時に使うことで仙腸関節と言われる骨盤の安定性に関与した関節が閉まり安定していきます。
つまり、骨盤の安定性を高めるためにはお尻の筋肉をしっかりと使うだけではなく肩から骨盤にかけてのつながりも作らないといけないというわけです。そして、このトレーニングに関してはメディシンを腕で持ち上げた時は背中を使って持ち上げる感覚を持てる必要があります。
余談ですが、
体幹トレーニングとしてプランクなどの胸郭を含めた胴体周りを固めて安定性を高めると言われているトレーニングがありますが、個人的には胴体は安定性を高めるために固定してトレーニングするよりも柔軟性をあげるために『反る・丸める、縮める・伸ばす、捻る』を駆使してトレーニングした方が怪我の予防やパフォーマンスの向上につながると考えています。そして、安定性を高めた方がいい部位として、胴体の基盤となる骨盤があげられます。
『反る・丸める、縮める・伸ばす、捻る』に関してはこちらのブログを参照ください。
それでは、実際に紹介した動画で解説していきます。
トレーニングの方法

参照「Juventus」youtube
上記の写真にいる手前の選手のスタートポジションを取ります。

参照「Juventus」youtube
そして、2つ目の写真のようにスクワット姿勢、そしてメディシンを前方に押し出すように腕を伸ばしていきます。
ポイント
1)股関節の捉えを意識する
股関節の捉えを意識することで、お尻の筋肉や骨盤周りの筋肉がバランス良く使われ、骨盤が安定します。
骨盤は胴体の土台となるため、他のすべてのトレーニングにおいてもこの股関節の捉えがあることが重要になります。
他のブログで股関節の捉えについては少し解説したので、よかったらそちらの記事も見てみてください。
2)脇を絞める意識をする
メディシンを前方に押し出す際に、脇を絞める意識を持ちます。
脇を絞める意識があると自然と肩が下がり、脇から背中にかけての筋肉を使っている感覚が持てます。この感覚がないと肩や首の筋肉を主に使ってメディシンを前方に押し出すため、肩と骨盤のつながりが消えてしまいます。
3)胴体は真っ直ぐにする
このスクワット時には頭の天辺から天井方向に糸で引っ張られているような意識を持ちます。腰を反るような動きや胸を丸めるような動きをしないように気をつけてください。
スクワットで下がった時に腰を反ってしまう人は、胸郭の柔軟性が低い可能性があるので胸郭のエクササイズなどが必要になります。
まとめ
今回のメディシンを使ったスクワットの目的として、骨盤の安定性を高めるためであることを解説してきました。
そのためにも股関節の捉えや背中をうまく使えるように脇を絞める意識などがとても大切になってきます。
また、メディシンの重りを増やすことで難易度を上げることも可能なので、上記に述べたポイントをしっかりと意識できる人は、少しずつ重りを増やして骨盤の安定性をさらに向上させることも可能です。
スクワットにバリエーションを持たせる意味でも今回紹介したメディシンを使ったスクワットをぜひ参考にしてみてください。
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<参考書籍>
ANATOMY TRAINS, Thomas W. Myers,
Myofascial Meridians for Manual Therapists & Movement Proffesionals
今回ご紹介した動画は「Juventus」様の貴重なyoutube作品です。