前回のドウグラスのステップ台からのスクワットに引き続き、今回はドウグラスの上半身を連動させたヒップヒンジのエクササイズについて解説していきます。
前回の記事では、『ドウグラス選手の課題としては、動作中に爪先まで重心をしっかりと乗せること、そして、胸椎の伸展の可動域をしっかりと出すことの2つの課題がある』ことをお伝えしてきました。
前回のドウグラスのステップ台からのスクワットの記事
【エクササイズの意図を掴もう!】ドウグラス選手のステップ台からのスクワット
今回の上半身を連動させたヒップヒンジのエクササイズでも、この2つの課題を意識しながら、股関節をうまく使えるようにするためのヒップヒンジのエクササイズになります。
ヒップヒンジとは?
ヒップヒンジとは、股関節の付け根から折り曲げるような動きのことを指します。そして、語源としてはドアの蝶番の部分の動きから例えられ、英語で【蝶番=ヒンジ】ということから、ヒップヒンジと言われています。
ヒップヒンジの動きが正しくできることは、一般的にお尻の筋肉をしっかりと使うために大切な動作であると認識されています。そのため、スクワットやランジなどのエクササイズや階段の登り動作や走りの動作で、太腿の前ばかり疲れてお尻の筋肉が使われない人は、ヒップヒンジの動きを練習することで、動作中にお尻の筋肉を使えるようにするために役に立ちます。
今回紹介する上半身を連動させたヒップヒンジのエクササイズでは、股関節だけを意識して行うのではなく、上半身の使い方にも意識を向けなければならないので、難易度は高くなります。
難易度が高くなる代わりに、上半身との連動を生むことで、お尻の筋肉(大臀筋など)だけでなく、体幹の深部の筋肉(腸腰筋、腹横筋など)や脇腹・背中の筋肉(前鋸筋、広背筋など)を同時に刺激することができます。
それでは、実際のエクササイズのやり方を紹介していきます。

2014年からオランダに渡り、フリーランスとして治療院を開業。その傍ら理学療法士として、リーグ4部のアマチュアサッカーチームやプロサッカーチームのユースチーム、オランダ柔道ナショナルチームに携わる。2019年よりサッカーベルギー1部リーグ「シントトロイデン」からオファーをもらい、メインの活動の場をベルギーへ移す。