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【イングランド代表のストレッチ】腸腰筋を緩め、下肢の筋肉の緊張を取る方法
2021.12.07


 

深部の筋肉である腸腰筋を緩めて、下肢の筋肉の緊張を取る方法

今回は、イングランド代表で行われている胴体のストレッチのエクササイズについて解説していきます。以前の他の記事でも書かせていただいたのですが、胴体は『反る·丸める、伸ばす·縮める、捻る』の3つの動きがあります。

 

詳しくはこちら

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この3つの胴体の動きは、主に胸椎と胸郭で行われるのですが、この動きが柔軟であればあるほど、運動パフォーマンスも高まります。それはなぜかというと、胸椎と胸郭が柔軟に動けば、胴体深部にある腸腰筋と呼ばれる筋肉が活性されやすくなるからです

 

腸腰筋は、一般的に股関節の屈曲の動きを作ると言われていますが、他にも骨盤の安定性や重心移動の速さに関わることもあり、運動パフォーマンスにはとても重要な筋肉になります。

 

さらに補足ですが、腸腰筋をさらに強化するためにはこの3つの胴体の動きを "骨盤を動かさずに" スムーズにできることが大切です。そうすることで、骨盤と胸郭の分離を促すことができ、深部の筋肉である腸腰筋をさらに活性化することができます。

 

骨盤と胸郭の分離で深部の筋肉である腸腰筋を活性化することについてより詳しく書いた記事もあるので、こちらも参考にしてください。

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深部の筋肉である腸腰筋を活性化することは、実は下肢の筋肉の無駄な緊張をとることにも繋がります。このことは、実際に今回紹介するエクササイズをやっていただくと実感できることなので早速、エクササイズのやり方とポイントについて書かせていただきます。

 

エクササイズの方法

エクササイズ(1)

【丸める・反るの動き】

下の写真のように、台に座り、片方の足は曲げ、反対足は伸ばします。そして、骨盤を立てて姿勢を正します。

参照「England」youtube

そして、骨盤は立てたまま、胴体を丸めていきます。そして、この【丸める・反る】を繰り返していきます。

参照「England」youtube

エクササイズ(2)

【捻る動き】

エクササイズ2でもにエクササイズ1と同じ姿勢をとります。

参照「England」youtube

上記の姿勢から、しっかりと骨盤を立てて、背筋を伸ばして姿勢を正していきます。

参照「England」youtube

その後、以下の写真のように丸める動きと捻る動きを同時に行っていきます。

参照「England」youtube

この動きを何度か繰り返し行っていきます。

 

ポイント

この2つのエクササイズで共通する2つのポイントを紹介していきます。

ポイント(1)骨盤を立てる

まず、このエクササイズの座る姿勢でしっかりと骨盤を立てることが大切です。骨盤を立てて、胴体の【丸める・反る・捻る】の動きを行うことで、冒頭でもお伝えした骨盤と胸郭の分離を促し、より腸腰筋を刺激することができます。

 

骨盤を立てる時に意識することとしては、骨盤を前傾させる時に坐骨と呼ばれるお尻にある骨で地面を捉えることです。また、腰を反りすぎないように注意することも大事になります。

ポイント(2)息を吐きながら丸めていく

もう一つのポイントとして、胴体を丸める時や捻る時に息をゆっくりと吐いていくことです。ゆっくりと息を吐くことで、体全体がリラックスし、胴体深部の筋肉も同時にリラックスしていきます。また、息を吐くと胸郭が縮まる方向に動くので、胴体を丸めやすくさせることもできます。

 

エクササイズ後にハムストリングスの硬さをチェックする

エクササイズをする前に長座になって上半身がどこまで前方に倒せるか確認します。(上半身を前方によく倒せない場合は、ハムストリングスが硬く緊張していることがあります。)その後、以上の2つのポイントをしっかりと意識して、今回紹介した2つのエクササイズを何度か繰り返していきます。

 

そして、再度長座になって、上半身がどこまで前方に倒せるか確認します。しっかりとエクササイズが行えている場合は、エクササイズ前よりもエクササイズ後の方が上半身をより前の方に倒すことができるようになっています。これは、腸腰筋が緩むことにより、下肢の筋肉が緩むことで起こります。

 

まとめ

今回は、サッカーのイングランド代表で行われている柔軟性を上げるエクササイズについて紹介してきました。

 

胴体を意識的に3つの【丸める・反る・捻る】の方向に動かすことで、胴体深部の腸腰筋という運動パフォーマンスに大切な筋肉を刺激することができ、さらに下肢の筋肉の余分な緊張を取り除くことができます。今回のエクササイズでは、骨盤を立てることと、息を吐きながら丸めていくことを挙げさせていただきました。

 

最後に補足ですが、今回紹介した動画では以下の写真のように頭を手で抱えてストレッチしているシーンもあります。

参照「England」youtube

ストレッチの方法としては、下の写真のように頭を手で押しながら上半身を前方に倒していきます。

参照「England」youtube

これは神経に対してのストレッチで、足先から頭までの神経全体をストレッチして体の緊張をとっていく効果があります。

 

こちらも是非試してみてください。

 

 

 

※今回ご紹介した動画は「England」様の貴重なyoutube作品です。

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2014年からオランダに渡り、フリーランスとして治療院を開業。その傍ら理学療法士として、リーグ4部のアマチュアサッカーチームやプロサッカーチームのユースチーム、オランダ柔道ナショナルチームに携わる。2019年よりサッカーベルギー1部リーグ「シントトロイデン」からオファーをもらい、メインの活動の場をベルギーへ移す。

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