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【トレーニング時の栄養摂取】日常的な回復のための糖質補給!
2018.12.10(更新日2021.06.09)

トレーニングの効果を最大限に高めるために、トレーニング直後の栄養補給(リカバリー)は重要です。

 

◆栄養補給の3つのポイント

「何を・What」

「どのタイミングで・When」

「どれだけ・How much」

 

前回のコラムでは、

「何を・what」

「どのタイミングで・When」

について要点を述べさせていただきました。

ご興味のある方はこちらをどうぞ☆

【リカバリーの質を高めよう!】海外のジムに学ぶ運動後の栄養補給!

 

今回は、

「どれだけ・How much」について

リカバリーに最も重要な栄養素である「糖質」を「どれだけ」摂るかお伝えします。

 

糖質摂取の目安量は?

糖質は、身体の主要なエネルギー源です。

十分に摂取できていないと、エネルギー不足の状態となり、運動時のパフォーマンスを維持できなくなります。

 

スポーツの現場では、

選手やその親御さんから、

「しっかりご飯を食べているのですが、スタミナがなくて・・・」

などの相談を受けることがあります。

 

しっかりと、糖質源であるご飯を摂っているのに…ということですが、

ここでポイントとなるのが、「しっかり食べる」の基準です。

個人によってその量が異なりますので、国際的なガイドラインを参考に、目安量をお伝えします。

 

このガイドラインには、運動の内容別に、体重1㎏あたりの糖質摂取の目安量が示されています。

つまり、運動強度が高くなるほど、また、体重が大きくなるほど、糖質を多く摂ろう、ということです。

 

◆糖質摂取ガイドライン

(日常的な回復のためにパフォーマンスを調整する場合)

Burke LM et al, Carbohydrates for training and competition. J Sports Sci,2011より一部抜粋

 

 

ガイドラインを参考にシミュレーション!

では実際に、同じ内容のトレーニングを行っているが、体格の違うA選手(体重60㎏)B選手(体重100㎏)の場合においてシミュレーションしてみましょう。

 

<例えば>

体重1㎏あたり7gの糖質が必要である場合(強化合宿時など中~高強度のトレーニング時)

 

●A選手(体重50㎏)

50(kg)×7(g)=350g

1日あたり350gの糖質が必要となります。

1日に摂取する糖質のうち、約8割をご飯から摂ると想定した場合(茶碗1杯150gに糖質は約55.7g)

(350g×0.8)÷55.7g ≒5

つまり、茶碗5杯分のご飯が必要となりますね。

 

●B選手の体重(体重80㎏)

80(kg)×7(g)=560g

糖質が必要となります。

同様の計算によりご飯の量に換算すると、お茶碗に8杯!となりますね。

 

このように、同じトレーニングを行っている選手であっても、体重が50㎏と80㎏の選手では、必要な糖質量が異なります。

つまり、糖質の摂取量は、個人の状況、目標によって変える必要があります。

 

補足ですが、ご飯がちょっと苦手…という方は、それ以外の食品により、糖質を摂ればOKです。

◆糖質を高含有する食品例・糖質量

・餅1切れ・・・・・・・・27g

・食パン6枚切り1枚・・・28g

・ロールパン1個・・・・・15g

・スパゲティ1人分・・・・57g

・うどん1玉・・・・・・・55g

・コーンフレーク1食分・・33g

・バナナ1本・・・・・・・18g

・オレンジジュース・・・・22g

など

 

 

まとめ

ガイドラインはあくまでも目安量です。

自身の体重と体組成(体脂肪量、除脂肪量(筋肉量))の変化を日々確認し、自身に合った栄養補給計画を立てることが何より重要です。

 

河村

次回は、急速なリカバリー時の糖質摂取量についても触れていきたいと思います!

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河村亜希

・管理栄養士・公認スポーツ栄養士・IOC Diploma in Sports Nutrition・オーストラリア国立スポーツセンター(AIS)アシスタントスタッフ(2016年~)・全日本スキー連盟ハイパフォーマンスサポートスタッフ(2016~2018年)・日本バレーボール協会 医科学スタッフ(2017~2021年)・日本スケート連盟フィギュアスケート部医科学スタッフ(2020年~現在)などの日本代表チームに対する栄養サポート経験等を経て、現在は大学で研究活動にも取り組んでいる。

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