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【アスリートとミネラルの基本】 Fe: 鉄|貧血アスリート必読
2020.02.17(更新日2021.04.16)

 

実は多いアスリートの貧血。

中には、自覚症状がなく、隠れ貧血の状態でトレーニングや競技に励む選手も。

 

パフォーマンスを発揮するためにも欠かせない「鉄」の働きについて「運動と鉄の関係」「効率よく食事から鉄を摂取するポイント」をお伝えしていきます!

 

運動と鉄の関係

【1】体内の分布

鉄は体内に3~4g存在し、約2/3は赤血球の中のヘモグロビンと結合、残りの多くはフェリチンやヘモジデリンなどと結合して貯蔵鉄として存在しています。

 

ヘモグロビンは運動時のエネルギー産生に必要な酸素を全身に運ぶため、アスリートにとって重要です。

 

【2】アスリートと鉄

アスリートにとって鉄は、「貧血予防」「持久力」などの観点から重要視されています。

 

アスリートが鉄を多く消費・損失する理由は次の通りです。

 

◆運動による酸素要求量が多く、運搬に関わる赤血球の構成要素である鉄も多く必要

発汗による損失がある

◆競技や種目によっては足底部の衝撃により赤血球の破壊が起きやすい

 

これらのことからも分かるように、アスリートの方々は、競技・種目問わず鉄の摂取についてしっかり押さえておきたいところです!

 

【3】必要量や代謝

一般成人の鉄の摂取基準は表の通りです。

 

スポーツ選手に必要な量はこれより多く、現在行われている様々な研究で、おおよそ10~15mg程度必要と言われています。

 

しかしこの値は個人間変動が大きいため、競技・種目や発汗量、環境(気候)、普段の食事量などをあわせて確認しましょう!

 

管理栄養士に一度食事をチェックしてもらうこともおすすめです!

 

効率よく食事から鉄を摂取するポイント

【1】吸収率が違う2種類の鉄

私たちは食事から鉄を摂取していますが、摂取した鉄が全て腸管から吸収されるわけではありません。

 

鉄には「ヘム鉄」「非ヘム鉄」の2種類があり、吸収率はこの種類によって大きな差があります。吸収率の目安はこちらの通りです。

 

ヘム鉄:10~15%

非ヘム鉄:5~10%

単に「鉄を多く含む食材」と言ってもしっかり吸収されなければ意味ありませんよね!

 

では食材に関する詳しい内容は次のセクションでみていきましょう!

 

【2】食材と効果的な摂取方法

鉄を多く含む食材といえば「レバー」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。

 

しかしレバーは苦手な人も多く、普段開催している栄養セミナーの質問タイムでは「レバー以外で美味しく鉄を摂取できる方法」を聞かれることがかなり多いです。

 

鉄を多く含む食材

◆ヘム鉄

レバー、赤身肉、赤身魚(マグロ、カツオなど)

◆非ヘム鉄

緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜など)、海藻類、穀類、大豆製品

 

一般的に、動物性食品はヘム鉄植物性食品は非ヘム鉄を含んでいます。

 

ヘム鉄に比べると吸収率の悪い非ヘム鉄ですが、「ビタミンC」をとあわせて摂取することで、鉄の吸収がアップします!

 

食べ合わせを工夫して効率よく補給しましょう!

 

次回は「鉄」のレシピ編です!

吸収率や食べ合わせのポイントもおさえたレシピをご紹介します。

 

okuzumi

「貧血」をテーマにした記事も今後公開予定ですのでお楽しみに!

 

【アスリートとミネラルの基本】「鉄」レシピ3選! - アスリートコレクション
パフォーマンスを発揮するためにも欠かせない「鉄」の働きについて「運動と鉄の関係」を前回の記事でお伝えしましたね。 今回の記事では「鉄」を効率よく摂取できるレシピを3つご紹介いたします! レシピ中の鉄の含有量も記載しているので是非チェックしてみてください。
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奥隅知里

Jリーガー合宿栄養サポート/女子サッカークラブメディカルサポート/Jリーグチームジュニアスクール/自転車競技/陸上競技/女子ラグビー/一般向け健康指導/ダイエットサポート

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