今回はサッカーイングランド代表でも行っているフォームローラーを使った背中のセルフマッサージについての解説と狙いをご紹介させていただきます。
フォームローラーについて文献を見てみると、フォームローラーを使った筋膜のリリース(マッサージ)の効果について調べられたいくつかの文献があります。
そして、その中で関節可動域の改善、激しいトレーニング後の筋肉のリカバリーの有無、そして、筋パフォーマンスへの影響に対するフォームローラーの効果が示された計14つの文献をまとめたシステマティックレビューがありました。
このシステマティックレビューの結果としては、
●関節可動域の短期的な改善がみられる
●激しい運動後の筋パフォーマンスの低下を抑え、筋肉痛を軽減させる
●フォームローラーを運動前に使用しても筋パフォーマンスの低下に影響がない
の3つの効果の可能性があることを示しています。
私自身の考えとしても、現時点では上記の結果から分かる通り、フォームローラーによるセルフマッサージは体をケアする上で効果的である可能性があり、どのスポーツの選手にも介入できる余地があると考えています。
それでは実際に、今回紹介するフォームローラーによるセルフマッサージについてやり方を見ていきます。

2014年からオランダに渡り、フリーランスとして治療院を開業。その傍ら理学療法士として、リーグ4部のアマチュアサッカーチームやプロサッカーチームのユースチーム、オランダ柔道ナショナルチームに携わる。2019年よりサッカーベルギー1部リーグ「シントトロイデン」からオファーをもらい、メインの活動の場をベルギーへ移す。