今回はスペインのカディスCFが実践する「ソリ」を押すトレーニング(スレッドプッシュ)にどのような狙いがあるのかを解説していきます。
このスレッドプッシュは、スプリントパフォーマンスの強化を目的として行われることがよくあります。1)
研究の数としては少ないですが、ある研究では80%の体重の重さでのこのスレッドプッシュトレーニングで主に20mのスプリントと水平方向への地面を押す力の向上する可能性があることを報告しています。2)
つまりサッカーのような加速・減速が繰り返され、初めの20メートルのスピードが大切なスポーツにおいて非常に効果的なトレーニングであることが考えられます。
また、個人的な観点からこのトレーニングを見た場合にはこれから説明するようなトレーニング効果や逆にマイナス面が考えられます。
このスレッドプッシュは、腕でスレッドを押しているため、腕で受けた衝撃を体幹を通って足まで伝えて、最終的に足で地面を押す動作になります。
つまり、腕から体幹、そして体幹から足先までしっかりとつながりを持つことで力を無駄なく伝えることができます。
反対に言えば、つながりがない場合には、腕の力だけでスレッドを押そうとしたり、脚で踏ん張って無理やりスレッドを押そうとするような体の使い方になってしまいます。
このような体の使い方は動作においてとても効率が悪く、一部の体の部位に負担をかけてしまい怪我にもつながりかねません。
2014年からオランダに渡り、フリーランスとして治療院を開業。その傍ら理学療法士として、リーグ4部のアマチュアサッカーチームやプロサッカーチームのユースチーム、オランダ柔道ナショナルチームに携わる。2019年よりサッカーベルギー1部リーグ「シントトロイデン」からオファーをもらい、メインの活動の場をベルギーへ移す。




















