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【夏前にやっておきたい】暑熱環境でパフォーマンスを落とさない方法
2017.07.10(更新日2021.08.17)

 

夏場のトレーニングや試合になるとパフォーマンスが陥ちて悩んでいる人はいませんか?

暑い環境下でのトレーニングや試合は暑さとの戦いとも言われるほど、勝負にも影響してくる大切なポイントです。根性で乗り越えられる問題ではありませんのでしっかり対策していきたいですよね。

 

ということで、今回は暑熱環境でパフォーマンスを落とさない方法をご紹介します。

まず初めに、暑さがパフォーマンスに与える影響をみてみましょう!

 

暑熱環境でパフォーマンスはこんなに低下する

汗をかき、脱水で3〜4%体重が減少すると・・・

◆筋力は約2%減少

◆筋パワーは約3%減少

◆高強度持久力は約10%減少

(1)

これらは、動かしている筋肉に血液を運び、熱を体の外へ出すために必要な皮膚の血流を維持するために起こる生理現象です。この状態で水分が補給されないと、パフォーマンスの低下はもちろん、それ以上に身体は脱水症状に陥ちいてしまいますので注意しましょう。

 

パフォーマンスの低下を防ぐための方法

アスリートは発汗により失われた水分の80%〜100%を補給し、体全体で2%未満の脱水で止めるように水分を摂取することが、パフォーマンス低下を防ぐポイントです。

 

どれぐらい水分を摂取すればいいのか?

発汗により失われる量を事前に把握して、自分に合った水分補給の量を事前に計算しておくことが、暑熱環境でパフォーマスの低下を防ぎ、より良いパフォーマンスを発揮するポイントです。

 

自分にあった水分摂取量を計算してみよう!

試合前数週間以内の発汗率を計算して、体重減少率を2%未満に抑えるための1時間あたりの水分摂取量を知っておくことで、パフォーマンスの低下を防げる可能性が高まります。

試合の環境と運動強度に近い状態で運動を行う

運動前後で体重を測定する

運動前の体重(kg) − 運動後の体重(kg)/ 運動時間(時間)を計算する

※食物または飲料を摂取した場合はそれも考慮する

 

最後にワンポイントアドバイス

目視で脱水症状の状況を把握する方法!

尿を目視で確認することで自分の状況を確認できます。

脱水症状:尿の色が「りんごジュース」のような濃い色

十分に水分が取れている:レモネードのような薄い黄色

水分の過剰摂取:透明な尿

(2)

夏の大切な試合に備えて、水分摂取の準備もしておきましょう!

なお、水分摂取は消化器に大きなダメージを与えないようにこまめに少しずつ摂取するのがオススメです。

参考にしてみてください。

 

<参考文献>

(1)Judelson DA, Maresh CM, Anderson JM, Armstrong LE, Casa DJ, Kraemer WJ, and Volek JS. Hydration and muscular performance: Does fluid balance affect strength, power and high-intensity endurance? Sports Med 37: 907–921, 2007.

(2)Armstrong L, Casa D, Millard-Stafford M, Moran D, Pyne S, and Roberts W. American College of Sports Medicine position stand. Exertional heat illness during training and competition. Med Sci Sports Exerc 39: 556– 572, 2007.

(3)NSCA JAPAN Volume 24, Number 5, pages 19-28

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中出寛省

ACトレーニングコーディネーター株式会社サモリット
【選手実績】全国高校サッカー選手権大会ベスト16・関東大学サッカー1部リーグ【講演実績】高校サッカーチーム・ラグビートップリーグチーム・ゴールドジム・その他、多数トレーニングジム、チーム、団体

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