スポーツ選手のための体づくりメディア

AthleteCollection / アスリートコレクション

【マンチェスターシティー】ボクシングエクササイズの狙いとポイント解説
2022.02.22

 

今回は、マンチェスターシティーが行っているジムでのトレーニングの一つ、ボクシングのエクササイズについて、サッカー選手にどのようなトレーニング効果があるのか、そして、どのようなところを意識してボクシングエクササイズをするといいのかについて紹介していきます。

 

マンチェスターシティーが行っているボクシングのエクササイズでは、サンドバックを使って、パンチを繰り返す動作を行っています。この動画では、何秒間続けているのか、そして何セット行っているのかという詳しいことは知ることはできませんが、サッカー選手が腕を使ったボクシングのエクササイズを行う理由というのが、必ずあるはずです。

 

そこで私が考えるサッカー選手に対するボクシングエクササイズのトレーニング効果については以下の通りです。

 

ボクシングエクササイズの効果と解説

◆上半身を強化する

◆下半身と上半身の連動を高める

◆捻り動作の質を高める

 

それでは、それぞれ解説していきます。

 

上半身を強化する

サッカー選手にとって、上半身、特に腕の力などを必要としないと思われると思いますが、実はサッカーだからこそボールを蹴る時などに腕や上半身の機能というのがとても大切になっています。というのもボールを蹴る動作は、下半身だけで行っているわけではなく、上半身の動きを利用して下半身でボールに力を伝えているのです。そのため、サッカー選手のエクササイズでは、下半身の強化が着目されやすいですが、上半身の強化というのもとても大切になってきます。ボクシングのエクササイズでは、上半身への刺激を高めることができ、サッカーでは使われにくい筋肉にも刺激が入るので、サッカーのパフォーマンスにもいい影響を与えることができます。

 

下半身と上半身の連動を高める

先ほどお伝えした通り、サッカーの蹴る動作などでは全身動作になります。そして、この下半身と上半身の動きが連動してお互いにつながりを持てると相乗効果で、下半身の力が上半身に伝わり、上半身の力が下半身に伝わっていきます。これは、サッカーの蹴る動作だでなく、スポーツ動作全般に言えることでもあります。例えば、野球やテニス、ゴルフなどでも上半身の機能はもちろん下半身の機能というのもとても重要になってくることはよく知られていることです。また、スクワットの動作一つをとっても、実は上半身がうまく使えているかどうかで下半身の筋肉にも影響が出るため、とても大切になります。ボクシングでは、足で踏み込んでパンチをするという動作があるのですが、この下半身と上半身の連動を高める事にとても効果的だと考えられます

 

捻り動作の質を高める

ボクシングの動作では上半身と下半身を捻るため、この体を捻る動きの質を高めてくれます。捻りの動きというのは主に、力を出す時にとても重要な要素で、ボールを蹴る動きだけでなく、走る動作にもとても大切な要素になります。サッカー選手では、足を中心に使って捻ることはよくやりますが、腕を中心に使って捻ることは実際のスポーツ動作でほとんどないため、このようなボクシングのエクササイズで普段と違った刺激を入れることが可能になります。そしてこのようないつもと違った刺激は、運動神経を高めるために役に立つ事になります。

 

ボクシングのエクササイズのやり方

まずは、ボクシンググローブをつけて、サンドバックに打ち込むための準備をします。

参照「Man City」youtube

ボクシンググローブをつけたら、以下の2つの写真のように、左、右とジャブやパンチ、そしてフックなどのパンチ動作を組み合わせていきます。

参照「Man City」youtube

 

ボクシングエクササイズ3つのポイント

ボクシンングエクササイズでは、以下の3つのポイントを意識して行うとより効果的に行えます。

1)下半身から上半身に力を伝える意識

ボクシングは全身運動でもあり、パンチの威力は下半身から生まれます。特に踏み込んだ足と反対側の足の両方を安定させた状態で踏み込んだ力でパンチをします。そのため、腕だけでパンチをしようとしないことが特に重要です。この土台となる両足を安定させるためには、股関節の捉えや骨盤の安定性が必要になってきます。

 

股関節の捉えや骨盤の安定性についてはこちらの記事を参考にしてください。

日本代表「長友塾」での股関節の使い方解説!

日本代表で行われた合宿中の個別トレーニングの時に長友選手がメ…

日本代表「長友塾」での股関節の使い方解説!
Array

2)股関節から捻る意識

土台となる下半身が安定していると、股関節を中心として捻る動作ができるようになってきます。そして股関節から捻るこの力が、上半身まで伝わり、パンチの力として伝わっていきます。この力が伝わるルートとしては、内転筋群→腸腰筋→広背筋という流れです。感覚としては、脚の内側から、お腹の中を通って脇の下、そして腕が前に出てパンチが出るというようなものになります。

 

こちらの記事も参考にして見てください。

股関節をうまく使った動きづくり【股関節の捉え】
こんな感じで、股関節と骨盤を操作できれば股関節を捉えることができる第一歩なのかなと思います。
特に内側に絞る動きが大事。
これができない人がスポーツ選手の中で意外も多い。 pic.twitter.com/lNAs9kP…
股関節をうまく使った動きづくり【股関節の捉え】

3)背中でパンチをする意識

股関節からしっかりと捻れるようになると、その力を利用して、パンチを出していきます。そして上記でも書きましたが、腸腰筋から広背筋に力を伝えることが大切で、背中、そして脇の下あたりからパンチを出す意識を持つとパンチの威力が上がります。これができない人は、パンチの時に肩が上がり、肩や腕の筋肉の力を利用してパンチをするため、肩や腕が疲れやすくなります。そのため、ボクシングのエクササイズ後にどこの筋肉が疲れているのかを確認する事で、しっかりと背中でパンチができているのか確認することができます

 

まとめ

今回は、マンチェスターシティーが行っているジムでのトレーニングの一つ、ボクシングのエクササイズについて、サッカー選手にどのようなトレーニング効果があるのか、そして、どのようなところを意識してボクシングエクササイズをするといいのかについて紹介してきました。

 

トレーニング効果としては、上半身を強化する、下半身と上半身の連動を高める、捻り動作の質を高めるが挙げられます。

 

ボクシングエクササイズのポイントとしては 、下半身から上半身に力を伝える意識、股関節から捻る意識、背中でパンチをする意識ができるようになるとより効果的にトレーニングを行うことができます。

 

下半身を中心に使うスポーツでもこのようなボクシングエクササイズはたくさんのメリットを与えてくれるので、是非試してみてください!

 

 

 

※今回ご紹介した動画は「Man City」様の貴重なyoutube作品です。

The following two tabs change content below.
2014年からオランダに渡り、フリーランスとして治療院を開業。その傍ら理学療法士として、リーグ4部のアマチュアサッカーチームやプロサッカーチームのユースチーム、オランダ柔道ナショナルチームに携わる。2019年よりサッカーベルギー1部リーグ「シントトロイデン」からオファーをもらい、メインの活動の場をベルギーへ移す。

最新記事 by 桑原秀和 (全て見る)

運動能力

SoccerTrainingをいいね!して最新情報を受け取る

SoccerTrainingをフォローして最新情報を受け取る

  • 疲労へのアプローチ!
  • 食事方法で差をつける

体づくりのヒント

この記事を見ている人はこんな記事も見ています

サッカートレーニングの新着記事

スポーツ栄養の新着記事