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【消化吸収や腸内環境を意識した体づくり】-前編-
2019.06.13

 

藤田ダニエラ裕子 × 中出寛省 対談 前編

近年、アスリートのコンディショニングにおいて腸内環境の重要性が高まってきている。最近では、元日本代表の鈴木啓太選手が腸内フローラ解析を元にアスリートのコンディショニングをサポートする事業で腸内細菌検査キットのサービスをリリースしています。

 

そこで、今回は、腸内環境をポイントとした体づくりやコンディショニングについて、格闘技世界チャンピオンや日本代表選手など、トップアスリートのトレーナーとしてして活躍している藤田ダニエラ裕子さんにお話をお伺いしました。

 

藤田さんと私は、かねてより消化吸収や腸内環境をポイントとした体づくりやコンディショニングについて、定期的にディスカッションをさせていただいております。

 

その理由は、藤田さんがこれまで海外と日本で消化吸収や腸内環境をポイントにおいた体づくりの経験が豊富だからです。

 

このご経験がを読者の方にもシェアさせていただくことで、何かヒントになればと思い、インタビュー記事にさせていただきました。

 

少しでも有益な情報となれば嬉しいです。

 

 

中出

本日はよろしくお願いします。早速ですが、僕と藤田さんがお会いしたのは約3年前のスポルテックという国内最大級のスポーツの祭典でしたね。

 

あの時、消化吸収の大切さなんて聞いてくれる人が少なかったのですが、どうして藤田さんは僕たちのブースに立ち寄ってくれたんですか?

 

藤田

昔、ブラジルでブラジル人アスリートのトレーニングや食事を見ている時期がありました。

 

ブラジルの選手は、消化に気を使っていて、寝る前は食事をライトにするし、朝食も朝起きたらアサイーやフルーツだけ食べてビーチランにいって、戻ってから朝食をとったりしていました。

 

特に夜遅い食事になった時は、お粥とかスープに穀物をいれたメニューを提供すると喜ばれましたね。

 

また、お肉を食べる際にはタンパク質の分解酵素が含まれているパイナップを付け合わせで食べて消化をケアする習慣がありました。もう10年以上前からありましたね。

 

だから自然と消化というワードに反応した感じです。

 

中出

藤田さん現在はトップアスリートのトレーナーをつとめてらっしゃいますが、以前はボディメイクのコンテストにも出場していたと聞きました。

 

実際にご自身でボディメイクしていた経験やトレーナーとしての経験の中で消化に関して意識しているポイントや経験ってありますか?

 

藤田

意識しているのは腸へのアプローチですね。

 

腸は最大の免疫器官と呼ばれるほどコンディショニングやメンタルにも影響を及ぼす事わかってきています。

 

私も昔はそうだったのですが、コンテストの日程が近づいてきて、減量期に入ると、炭水化物を取る量を低くして、体を絞ろうとします。そして、落ちなくなったら脂質を摂る量を減らして、たんぱく質を摂る量を沢山とるという食事をしていました。

 

そうすると、体にさまざまな支障が出はじめるんです。寒気がして、パフォーマンスが落ちる、胃腸の冷え、覇気がなくなる、メンタルが弱くなる、などの症状が出てきました。

 

この時に、炭水化物をカットして、高たんぱく質食など、極端な食事で消化に凄く負担がかかることで、胃腸に何かが残っている感覚とともに、冷えや疲れ、寝付きの悪さが出ていると感じました。

 

また、トレーナーとしても、同じことをクライアントさんから感じていました。食事が偏り、腸内環境が悪くなってくると、顔色や目、体の匂いが変わってきます。悪い方に。

 

中出さんと出会った時はちょうど過度な食事制限やハードトレーニングに疑問を持っていた時期で、過度な食事制限で気持ちはネガティブになるし、体調も良くない、ハッピーではないんですよね。人付き合いも減っちゃうし、これじゃー健康になるわけないなって思っていました。

 

中出

その疑問に対して、どのような考えを持つようになりましたか?

 

藤田

内科に興味を持つようになりました。

栄養学の前に基礎を考えないとよくならないんじゃないか?って思いました。

健康的で望ましいアプローチをするには。

 

中出

そこから消化吸収や腸内環境への意識がより一層、高くなられたのですね。今現在、藤田さんは腸内環境に対してどのようなアプローチをされていますか?

 

藤田

腸内環境は意識して整えるようにしていますので、4つのアプローチを心がけています。

 

1つ目は、グルタミンを摂取して小腸の上皮粘膜を整えるようにしています。

 

2つ目は菌を入れて腸内環境を整えるようにしています。

 

3つ目は酵素を取り入れて、サポートをしています。

 

4つ目は咀嚼です。咀嚼を入れることで食べたものをペースト状にして消化負担を低減させることと、内臓を動かすことを目的にしています。

 

食事は腸に吸収されてからが初めて栄養になるということを考え直したいし、食べ過ぎれば体内でゴミになる。ということを伝えたいなって思っています。

 

中出

先ほど、過度な食事制限でメンタルが弱くなるという話がありました。腸内環境と脳は密接に関わりがあるともよく言われますが、それについてはいかがでしょうか?

 

藤田

腸と脳については、腸が95%脳が5%の指令を司るといわれるほど、腸が大切だといわれていますし、腸内細菌によって性格が変わるという論文が米国のUCLAから出ています。

 

実際にトレーナーとしてクライアント様と関わる中で、メンタルにきていると感じることは肌感覚で感じますね。

 

そうなってくると、やっぱり人としてハッピーじゃないんですよね。人間らしく、楽しく、整えていく。その基礎となるのが、腸内環境であり、消化の部分だと思います。

 

>>>続きは後編へ

 

プロフィール

藤田ダニエラ裕子

日本、海外でショーダンサー、アスリートのサポートを経験した後、大手メーカーにて勤務。

現在はフィジカルトレーナーとして世界チャンピオン、日本代表選手をはじめとするアスリート、ミスコンテストのファイナリストから、一般の方のボディメイク、リハビリテーションに携わっています。

カウンセラーとしては、会社員時代の営業スキルやコミニュケーションスキル、要人の方の接待や接遇、チャンピオン達のサポート経験を基に、心理学を取り入れ、“その方にとっての望ましい状態”に最短で近づけるお手伝いをしています。

『意識が向いている所にエネルギーは流れていく』 をモットーに、目の前いる人を幸せにし、笑顔あふれる社会をつくるべく、サポーターとして日々活動しています。

<資格>

・全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定 パーソナルトレーナー

・全米NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー

・コーチング心理学協会認定 マーケティング心理学コーチ

・コーチング心理学協会認定 コミニュケーション心理士

・カナダSuccess Strategies社認定 LABプロファイル(R)プラクティショナー

 

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中出寛省

ACトレーニングコーディネーター株式会社サモリット
【選手実績】全国高校サッカー選手権大会ベスト16・関東大学サッカー1部リーグ【講演実績】高校サッカーチーム・ラグビートップリーグチーム・ゴールドジム・その他、多数トレーニングジム、チーム、団体
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